「日本国憲法」完成記念上映会へ

osugi812005-04-23

いつまでも休みの日に何もしないでいるのもどうかと思って、
映画監督の森達也氏が来るというシンポジウムを見つけ、
行くことに。


場所は中野ZEROというところで、家から歩いて20分くらいのところ。
森達也氏が来るシンポジウムは「日本国憲法」という、映画の完成記念上映の
付属的なもの。
http://www.cine.co.jp/kenpo/
行ってみると、かなりの人たちが来場しており、立ち見をしなければいけない状況。
う〜ん。こんなに護憲派の人間っていたのか・・・。知らんかったなあ。
なんか、若い人たちが会場の誘導や受付をしており、某政党の影を感じてしまったり。
)いや、これはそう感じただけなので、そうじゃないかもしれないけど)


映画自体は、正直自分はつまらないと感じた。
淡々とインタビューが中心であり、場面の起伏がまったくないのだ。
見せる努力をあまりしてないというか。
ドキュメンタリーといえど、観客に見てもらってナンボのはずであり、
この内容だと、憲法によほどの関心がる人しか見ないと思うのだけどなあ。
ちなみに、監督は「チョムスキー9・11」の監督さん。
チョムスキー9・11」は見てないんだけど、こんな感じなんだろうか。
唯一この映画で印象に残ったのはソウルフラワーユニオンの音楽のみでした。


映画終了後、しばらく休憩があり、楽しみにしていたシンポへ。
出演者は森達也石坂啓ジャン・ユンカーマン監督の三氏。
石坂啓は、マンガは読んだことないけれど、週刊金曜日編集委員に就任したり、
運動系では有名な人ですね。
わしは、森達也目当てでシンポに行ったのだけれど、思ったよりも
石坂啓の話が小気味よい。
話の内容は憲法はもちろん石原批判や日本の行く末への疑問。
かなりの毒舌でスパスパ話す。
おそらく、2ちゃんねるでこの人が話したことを書いたら総スカンを食らうでしょう。
もちろん、小気味がいいということは、ある種の危険性を孕んだ内容・喋りであり、
この人の話のすべてに賛同できたわけではないのだけれど。
で、森達也氏は、この国が10年で相当変わってしまったこと。
表現への見えない規制が強まりつつあること。
などをしゃべってくれました。
あと、フジのNONFIXという番組で製作する予定だった「日本国憲法」シリーズで
自分がかかわる予定だった「天皇制」のところを、意見の対立から降りたことについて、
その理由も話してくれました。
まあ、ある程度は色々なところで、その顛末は聞いていたので、新鮮な話ではなかったのだけれど、
番組の冒頭を森氏が宮内庁に「天皇いらっしゃいますか?」とかけるシーンにして、
最後は「ハイ、天皇です」で終わろうとしていたという構想を聞いて、
笑ってしまった。と、同時にやはりこの番組を見たかったなと。


しかし、このシンポの司会の人は、森達也氏の著作や作品を見てるのだろうかと思ったシーンがあった。
フジの番組がなくなった話をした後、
司会「映画とかでやる予定はないんですか?」
森「TVでだめになったから映画とかそんな簡単な話ではない」
このような話になり、ちょっと森氏はムッとしていた。
著作を読んでたらこのような展開になるのわかるだろうに・・・。


外に出ると、教科書問題で杉並区長を非難するビラと署名をやっていた人がいた。
どうやら、中核系の方々のようだ。
来週は、共産党の志位委員長が中野に来る。
この空間だけ、時代の流れに逆らっているように感じてしまった。


森達也氏は「私はガチガチの護憲論者ではない」と言っていた。
私もそうだ。
ただ、9条改正をとっかかりにした、国家の介入。
それを恐れている。