「立喰師列伝」in シネクイント(渋谷)

渋谷・新宿・池袋は映画館が多く、映画を見るためには
あまり好きではない街、渋谷にも行かざるを得ない。
平日の金曜日ということもあって、街はそれほど
ゴミゴミしてなかったが、それでもこの街は好きじゃないなあ・・・。

シネクイントは渋谷パルコ3の8Fにある映画館で、
少し大きめのミニシアターという感じがした。
エレベーターを下りたらすぐに受付があるのだが、
それほど多くの飲食物もおいてないし、
スクリーンは1つだけだし。
ただ、料金が初回1000円で次回も半券を提示すれば
1000円らしい。
(私は前売りを買ってしまったので1300円だったが)
座席もゆったりしているし、hPで設備をウリにしているだけある。
いい映画館だなあと感じました。
ただ、ちょっと音量が大きすぎて、迫力と言うよりも
うるさいというレベルになっていたのが残念。

さて、本編。
率直に言って、押井守の説教やケロベロスサーガ好きの人以外は
ある程度の覚悟が必要です。
そうしないと、終了後に激怒するか映画中に寝てしまう恐れがあります。
逆に押井守が好きな人にはたまらない内容です。
ウソかマコトかわからない昭和史の説明。
立喰師が如何にして時代と共に生きてきたか。
人生の哀しさ・空しさ・素晴らしさを教えてくれます。
・・・とは言いすぎでしょうか?
とにかく立喰師がかっこいいのです。
言ってしまえば立喰師なんて、食い逃げ行為を働く
犯罪者でしかないのに、立喰師という生き方の美学が
押井守のデタラメな説明によって、カッコよく見えてしまう。

映画中には8人の立喰師が現れますが、
4人目の「冷やしタヌキの政」を起点に雰囲気が変わります。
前編はとにかく歴史と立喰師の関係に焦点が当たります。
後半は歴史というよりもそのテロリズム性についての
話が中心だったような気がします。
笑わせてくれるのは後半のほうが笑えますかね。

何よりもナレーションによるデタラメな解釈が
この映画の魅力を引き出してくれている。
「・・・いい景色だ・・・。」
この言葉にやられました。

個人的に好きな立喰師は
「月見の銀二」「ハンバーガーの哲」「中辛のサブ」
でしょうか。

正直、途中で少し意識を失ったのですが、
映画終了後にたぬき氏と話している時にでる言葉が
この映画で出てきた言葉だったことからも、
この映画の持つ力が伺えます。
「チュカラ」「チュカラ」言ってましたから。

人にはオススメ出来ませんが、個人的には
行って損はない映画だったと感じています。