M君の呪縛

どうして、こういう異常な事件が起きると、オタクへのバッシングが起きるのだろうか。
社会はM君事件の時から進歩してないということなのだろうか。


今、大谷昭宏氏の「ワイドすくらんぶる」での発言や
「日刊スポーツ」での記事によって波紋が広がっている。

まとめサイトから引用しながら事件の流れを説明すると
11月22日の朝日放送「おはようコールABC」にて
11月17日に発生した奈良女児誘拐殺害事件の犯人像を
ロリコンとは違う、少女フィギュアなどのマニア。「フィギュア萌え族」による犯行では』
と、論じたことから始まる。
そもそも「フィギュア萌え族」なんてはじめて聞いた言葉であったし、
「日刊スポーツ大阪版」の記事では大谷氏は
http://homepage2.nifty.com/otani-office/nikkan/n041123.html

もちろんまだ犯人像が絞れないいまの段階で、今度の事件の犯人を直接、
この萌え現象と結びつけることはできない。ただ、解剖結果から誘拐直後に殺害しているということは、
犯人は一刻も早く少女をモノを言わないフィギュアにしたかったことは間違いない。

と自らが犯人像が絞れないと言っているにもかかわらず、
「間違いない」という表現で断定をしている。
(なお、この萌えという単語について、私はある種の違和感を持っている。それは別の機会に。)
これに反発した方々が、抗議活動を始めた。
最初に具体的に行動をおこした著名な方はフリーライター石黒直樹氏でした。
http://homepage2.nifty.com/otani-office/nikkan/n041123.html
なお、この質問状はaniota氏が、
http://aniota.s54.xrea.com/mt/archives/001764.html

実際、大谷氏の「フィギュア萌え族(仮)」の解説は事実の裏付けがないため
妄想の域を出ないモノであるが、それに反応してみせた石黒氏の公開質問状も
またオタクのイメージを下げるだけのものだった

と指摘するように、大谷氏をバカにするだけの内容で、実のある質問状とはいえなかった。
その中で、児童ボルノ法案などで戦ってきたNGO団体AMIが
12月9日に質問状を送付した。
http://picnic.to/~ami/ool.htm
質問文は丁寧に書かれており、大谷氏との「対話」によって、
双方の解決点を導き出したい旨が書かれていた。
そして、12月15日に回答書が届いた。
http://picnic.to/~ami/ool_r.htm
上の内容をみて分かると思うが、質問に対して何一つ答えていないに等しい。
それでも、AMIは「対話」の姿勢は崩さず、WEB上では終始、大谷氏に対して
敬意を表す文章をつづっていた。


以上まででも、私は「大谷氏はどうしてしまったんだろう」と思っていた。
こういう報道は良くあることだしなあと思っていた。
しかし、大谷氏はジャーナリストとは思えない行動をしてきた。
1月4日の「日刊スポーツ大阪版」である。
http://homepage2.nifty.com/otani-office/nikkan/n050104.html
書いてある文章もさることながら、以下の文章で私は絶句した。

警告を発する者には一方的に質問状を送りつけるのだろうか。

なんと、質問状を送ったことに対して異議を訴えているのである。
これはジャーナリストとして。モノカキとして致命的な間違いを犯している。
モノカキは自分の意見を公の場に発表する以上、反論は受けなければならない。
それが、今回のように偏見を助長しかねないと、一方が訴えているならなおさらである。
さらに大谷氏は1月5日の「やじうまプラス」で

大谷氏「私はね、趣味は勝手だけどもこういったあおりそそのかすようなグッズとかアニメとか、
世界から大変な批判を受けているわけですね、日本はなんとかしてくれと.
で、こういう番組で申し上げたり文章で書いたら、この事件の間に配達証明付きで
公開質問状が送られて来るんですね.
こういう社会って何なんだろうと、子供本当に守らないといけないと取材してる記者達が叫んだら
そいつ宛に配達証明のですね、いったい何を質問するんだろうと」

開いた口がふさがらない。いつからアニメ文化は世界から大変な批判を受けているのだろうか?
ベネチアヴィエンナーレに招待されて「OTAKU展」を行い、
人気を博したことなど知らないのだろうか。日刊の文章ではキチンと取材したと書いているのに。
最後の発言なんかは、自分が絶対正義であって、異論を挟む者はおかしいという
ジャーナリストとして言語道断な姿勢をとっている。


私は大谷氏は警察問題に熱心に取り組み、渡辺氏にたてついて読売を辞めるなど、
ジャーナリストとして気骨のある人間だと思っていた。
それが、このようなことになるとは非常に残念だ。


多分、6日や7日にもまたオタクを非難する発言を行うと思われる。
我々はM君事件のように黙って、この問題を見過ごすわけには行かないと考える。
何らかの手段で、大谷氏と「対話」をしていかねばならない。


(続く)


参考リンク
連絡網AMI−WEB
http://www.picnic.to/~ami/
大谷昭宏事務所
http://homepage2.nifty.com/otani-office/
報道被害
http://www.geocities.jp/houdou_higai/
オカノ通信「今、そこにあるオタクの危機」
http://www2u.biglobe.ne.jp/~captain/sub1_241.htm
歯車党日記
http://haguruma.2log.net/
アニオタフォース
http://aniota.s54.xrea.com/mt/
大谷氏の呆れた誹謗中傷(1999年に浅野健一氏が書いた文章)
http://www1.doshisha.ac.jp/~kasano/FEATURES/OTHERS/ootani3.html