手塚治虫文化賞

10日に各賞の発表が行なわれましたね。
http://www.asahi.com/tezuka/

大賞が「失踪日記」なのは、ガチガチの本命すぎて
別に面白みはないのですがね。
素晴らしい作品ではあるのですが。

(ちなみに大賞ノミネート作品は『イヴの眠り』
王様の仕立て屋サルト・フィニート〜』
団地ともお』『NANA』『のだめカンタービレ
働きマン』『ヒストリエ』『もやしもん
『リアル』『リトル・フォレスト』)

それよりも新生賞の受賞者に少々驚き。
ひぐちアサ氏の「おおきく振りかぶって」が
選ばれているではありませんか。

ひぐちアサ氏は法政大学出身かつ学館出身という
こともありますし、前作の「ヤサシイワタシ」の
心理描写・セリフ回しと情景描写に感銘を受けて以来、
応援してきたのでうれしいですね。
まあ「おおきく」はあまり好きではないのですが、
受賞理由にあります、「野球マンガに新たな表現の可能性」
というのは先の心理描写を巧妙に取り入れたことに対する
評価だと思いますので、ひぐちアサ氏の実力自体が
評価されてもいると考えております。

ああ、そういえば某所で写真研のOBが「ヤサシイワタシ」
について「この話は実話を元にしている」と言っていました。
そして、ひぐちアサ氏はあるインタビューで
「もう誰も死んでくれるなというメッセージを描くためだけの2冊」
と言及してたので、「ヤサシイワタシ」はひぐちアサ氏が
通らなくてはいけなかった、作品だったのかなあと思ったり。
そして、それを通過したからこそ今の作品がかけるのかなと。

ま、なんにせよおめでとうございますと言いたいです。